株式投資に必要な企業分析能力を向上させる1冊です。世界中に企業は、大小数多く有り、長年に渡って強さを発揮し、優れた業績を上げ続けられる企業、いくら努力しても効果は、限定的で優れた業績を上げる事が困難で厳しい経営状態が続く企業、いい状態の時もあったが、良かったり悪かったりで、あまりいい状態が長続きしない企業など、様々な企業があります。
それは、業界・企業の構造的な問題に起因するところが大きく、優れた企業、弱い企業には、それなりの強み・弱みが必ずあります。企業の何が良くて何が悪いのか、そのあたりの要素を把握する事が重要になります。株式投資で長期的に大きなリターンを上げるには、問題が多くて長期間の株価の大きな上昇があまり見込めない企業は避け、長期間強さを発揮して、株価の上昇が大きい企業を選んで投資する事が重要になります。
そこで、この本では、業界・企業の構造分析から始まって、企業を取り巻く条件で根本的に重要な、構造的・環境的な問題を把握し、リスク要因などを理解し、その上で、企業の強み・弱みを把握する為に、具体的な条件・要素を挙げています。強い参入障壁、強い競争優位性、商品やサービスのブランド力が強い、ローコスト・高利益率、売上・利益の高い成長率、市場内の高シェア率、不況に対する強さ、現預金の積み上がりやすさ、少ない負債に多額の現預金、優秀な経営者の存在などの企業にとって、有利な条件が多く、強みが多い少数の強力な企業を要塞企業、逆に弱い参入障壁、弱い競争優位性、弱いブランド力・同業他社と似たりよったりの商品やサービス、ハイコスト・低利益率、低シェア率、人気離散状態、競争敗北、不利な構造的変化、少ない現預金・多額の負債、巨額の損失などの企業にとって不利な条件・問題が多く、優れた業績を上げるのが難しく、耐久力の低い企業として、低防御力企業の特徴を挙げています。
また、日本では、ポピュラーで手に入りやすい会社四季報から、主に企業の業績データ・財務データから分析を行う四季報分析があります。四季報分析では、四季報の見方の説明があり、企業の実例から、業績や財務健全性の分析法を紹介しておりますので、四季報の見方に関してあまり詳しく無い方でも、凝縮された四季報データから、簡単に四季報分析を行う事が出来ます。
更に、四季報分析よりも企業の詳細な分析を行う場合は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の財務三表から分析を行う財務諸表分析があります。四季報でもある程度、企業分析は出来ますが、財務諸表ほどの詳細なデータは有りませんので、より深く、企業分析を行いたい場合は、財務諸表分析が必須になります。
財務諸表分析では、財務諸表の読み方、財務力分析、収益性分析、成長性分析があり、企業の重要なデータが網羅された財務諸表から、より詳細な分析を行う事が出来ます。財務諸表の読み方では、企業の実際の財務諸表を取り上げ、各勘定科目の説明もありますので、財務諸表の見方が良く分からないという方でも、容易に理解出来る構成になっております。財務力分析では、企業の負債額、現預金などの資産額、利益額などから、債務の支払能力や財務的な安全性を分析し、収益性分析では、各コストの高低、各利益率などから効率性、収益性の分析を行い、成長性分析では、売上高、営業利益、純利益、1株当たり利益などの成長率、現預金、負債の増減率などから、成長性、増減率を分析します。
その他、投資におけるリターンや損失、目標とする資産額までの年数や必要な利回りの計算を行うための投資の計算があり、単利計算と複利計算、内部収益率(IRR)、現在価値と将来価値の計算などがあります。四季報分析と財務諸表分析及び投資の計算においては、各計算を行う際、お手持ちの電卓やパソコンのエクセルで簡単に計算を行う事が出来ます。
最後に大投資家の投資哲学・投資手法として、大投資家のウォーレン・バフェットとジョージ・ソロスを取り上げ、投資と投機に関する優れたノウハウを凝縮して紹介してあります。この2人は、投資の世界で、市場に長年に渡って勝ち続け莫大な富を築いたスーパーエリートであり、学ぶべきものは、非常に多くあります。
この本は、企業の定性分析や定量分析、投資手法などを実戦で即使えるように書かれたものです。これから、株式投資を新たに始めようとされる方にも分かりやすく実践しやすい内容になっております。
全268項
This site is safe
You are at a security, SSL-enabled, site. All our eBooks sources are constantly verified.