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    sekai heno teityaku ga owarumade (Japanese Edition)

    By RYUSHIN MITAMURA

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    About

    2011年3月に行った、三田村龍伸個展の展覧会図録。

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    展覧会あいさつ
     本展では日本大学大学院 芸術学研究科博士後期課程 芸術
    専攻に在籍していた4 年間で制作した作品と博士論文の発
    表を致します。学部の頃には14 名いた同級生も修士以降
    は一人でした。今回もまた一人修了展、つまりは個展です。
    今回は自分の展示でも初となる、4 年分の回顧展形式で挑
    みたいと思います。
     学部の頃は彫刻を専門で学んでいましたが、美術史を学
    べば学ぶほど彫刻という言葉が意味する範疇が拡大し続け
    ているという実感を得ました。そして博士課程前期では一
    般的な彫刻作品も制作していましたが、いわゆる「映像作品」
    を作ることが多くなりました。彫刻の素材として映像を選
    択するようになったのです。
     私の映像作品は画家が写真という技術を積極的に絵画の
    素材として取り入れた行為に近いものです。ビデオという
    技術もまた絵画や彫刻の分野で積極的に取り入れられまし
    たが、一方ではパフォーマンス作品、一方では映像や映画
    の作品といったようにより専門的に分離したように思いま
    す。
     私の作品を振り返るに、この4 年間は彫刻の素材として
    映像をどう使うかという事に対して様々なアプローチをし
    たように思います。そして過去の作品を見ていると以下の
    4 つの要素が強いことに気が付きました。

     1) 詩
     2) 物語
     3) アニメーション
     4) パフォーマンス

     以上の要素からは彫刻作品のスタンダードな見方である、
    量感、素材感、触感、空間性などが消えています。代わり
    にリズム感、動感、生命感、色彩感などが強化されている
    ように思います。メインの作品が映像作品に変化しました
    が、作品に対する追求の気持ちは全く変わっていないよう
    に思います。
     作品の一つ一つの要素やテーマがまだ追求し切れていな
    いと反省する部分が多々あります。それでも創造の道を歩
    み続けています。いつも途中なのです。どうぞごゆっくり
    ご高閲下さい。少しでも楽しい時間を過ごしていただけた
    ら幸いです。

    ----------------------

    ○後書き
    2011 年3 月11 日午後2 時46 分。東日本大震災が日本を襲っ
    た。その時、僕は大学で展示の準備をしていた。3 月14 日から
    僕の展示が始まる予定だった。その日は電車が止まり、多くの
    人が帰宅困難者となった。僕の展示会場は前の展示グループが
    搬出に来ないまま14 日を迎えてしまった。
    展示を自粛するかどうかという選択肢があった。その当時は東
    京でも続いて大地震が起こる、また福島原発がメルトダウンを
    起こすといった危険が予想されていた。
    僕は何をすべきか、または何をすべきでないか、何を大切に思っ
    ているのか。優先順位を決めなければならなかった。色々考え
    た結果、展示をすることとなった。展示も14 日の午後2 時か
    らと予定より遅れてしまったが開催することが出来た。オープ
    ニングも予定通り決行した。
    このことによって自分が美術の世界に対する強い意志を持って
    いるのだと確認することが出来た。作品を作ること、発表する
    こと、生きることと作ること。その周囲にいる人たちと繋がっ
    ていく事。誇りや責任感。
    僕は今まで自分の作品を俯瞰的に並べたことが無い。一つ一つ
    は別個に展示のために作られる。未発表のものも多い。それら
    を一堂に会した展示は今回が初めてであり、個展2 と題してあ
    るが、実際には初めての個展のように思える。
    展示の最終日に震災をテーマとした作品を即興で作った。長年
    お世話になっている先生が大変な状況の中、来て下さり「今、
    外で起こっている問題を無視してはいけない。外で起こってい
    る事は中でも起こっている。ギャラリーという守られた空間-
    綺麗な会場-を壊したくないだろうが、たとえ未完のものであっ
    ても外で起こっている事への意思表示を作品にしなさい」と叱
    咤激励して下さった。
    震災が起こった後、震災をテーマとした作品を作るか否かを考
    えていたが、実際には形にならなかった。だが作家としての一
    つの意思表示をする必要を感じていた。
    本当に短い時間ではあったが、即興的に作品を作り始め、時間
    にすれば1 時間も展示されない、幻の作品が出来上がった。
    個展が終わった後、岩手の釜石市を中心に支援しに行った。家
    族で役割を分担し、物資を集め、情報を集め、物資を運ぶ手配
    をし、物資を運んだ。それは美術家としての仕事ではない。し
    かしどこかでつながっているはずだ。-世界への定着が終わる
    まで-というサブタイトルが後で効いてきた。「必然」が起こっ
    たように思えるのだ。回顧展形式の個展ではあったが、終わる
    頃にはその後の分岐点となり得る-出発点につながる-展示で
    あった。
    今も個展と震災が重なった意味を考えている。
    (2011 年4 月4 日)
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