時は1984年。日本経済は、その後に来るバブルに向けてまっしぐらに突き進んでいた。
専門学校の卒業を間近に控えた坂本隼人は、自身の進路に迷う中、中学時代の親友である丸山から打ち明けられた借金問題を解決すべく、従兄弟の栗田に相談を持ち掛けた。
兜町の投資顧問会社創和で営業部長をしている栗田は、社内での自らの勢力拡大を目論み、2人の借金問題を解決して創和に入社させ、後日、坂本もグループ会社のグローバルクリエイトに入社させる。
朝から晩まで電話営業に没頭し、悪戦苦闘の日々を送る坂本。その甲斐あってようやく売上が立った坂本を、グローバルクリエイト社長の大出が酒席に誘う。その出来事が坂本に、金の魔力や、仕事のやりがいを気付かせる反面、数字がすべてである営業職の本質をも知らしめた。
ある日、創和の創業者で会長の井本正義は、栗田の社長就任祝いと称して、丸山、鷲尾、坂本ら若手4人を夜の銀座に招き、その席で坂本は創和グループの拡大計画を知る。
一方、数字の上がらない社員は容赦なく退職に追い込まれ、新たに、栗田の招きで坂本の恋人である恵美子と、栗田の高校の後輩である佐倉が入社した。
そんなある日、相場が急落し、創和グループ各社には追証の声が響き渡り、社員皆が我が世の春を謳歌した数日後、創和に警察が訪れて雲行きは一変する。
そんな中、創和グループ全体の社員旅行が行われ、坂本は宴会で隣に座ったグローバルクリエイト事務員の織江と急速に接近していく。
This site is safe
You are at a security, SSL-enabled, site. All our eBooks sources are constantly verified.