魚津城の篭城衆が撤退命令をきかず全員自害したあと、本能寺の変で織田信長が討たれたことを知り、上杉景勝と直江兼続の主従がくやしがりながらも、領内の平定を目指しているおり、突然、信長の敵明智光秀を討って力をつけて、天下人へ向かっている羽柴秀吉が、越後の国境いの墜水城へやってきた。
軽装の秀吉へ、おもてなしと警戒の両建てで望んだものの、同盟関係を望んでいることがわかり、腹の探りあいから信頼関係へと進んでいったもの。
石田三成を交えた双方の主従四人だけの、極秘会談がその墜水城で行われた。
戦国時代とはいえ、厭戦気分が漂い始めた時分、似たような反乱分子を内側にかかえた双方の立場、かみ合った主従の相性と双方の相性、双方の利害や今後の展望上の得策などがあいまって、珍しい極秘会談にして、歴史のターニングポイントとなった会談が、当時で言えば辺境の地で行われた。
この後豊臣政権の五大老として重きをなしていく、景勝の名陪席の若き直江兼続のシリーズの締めくくりとして、ぜひ押さえていただきたい話である。
歴史小説入門書として、歴女や青少年向きとして、お勧めである。
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