少子高齢化社会の真っ直中にある日本にあって、企業がグローバル展開をしなければならない
必要性を見るには食品産業を見るのが一番だ。ことにインスタントラーメン業界が注目される。
2012年における世界のインスタントラーメンの消費量は、1014食。70億人の世界人口のすべてが毎月1食を食べた勘定になる。対する日本では、月3回食べているが54億食にとどまる。東洋水産が生麺風の袋ラーメン、〈マルちゃん正麺〉を売り出し、日清食品でも対抗して〈ラ王〉を発売して国内市場を活性化させたが、日本の需要は世界の5%でしかないのだ。
もちろん、即席麺業界の海外展開は始まっている。だが、食生活は、イスラムのハラルに代表されるように、世界で大いに異なる。したがって、グローバル商品の即席麺を発明した企業、日清食品のライバルも、多彩にならざるを得ない。たとえば、インドネシアでは華僑のインドフード、インドでは多国籍型企業の雄、ネスレなどだ。
本書では、インスタントラーメンを入り口に、キリン、味の素、ネスレ、コカコーラなどのグローバル展開を解明していくことになる。
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