こうして筆をとったのは、あれから幾つもの歳月が流れ「もう昔のことだから──」と言えるようになったからであり、あの未曾有の大震災3.11をきっかけに少しばかりロックすることに疲れたからで、記憶の片隅に眠る同じ時間を共に過ごし、駆け抜けていった仲間たちを忘れたくなかったからだ。
音楽の定義でいうところのロックそんなものじゃなく、ロックンロールそれは揺れる船……いや、転がる岩の如く”我思うが侭に生きてきた証”つまりオレが今までずっと歩み続けてきた道のりのことだ。
適当に不真面目に。物事を難しく考えない。言いたいことを言う。やりたいことをやる。そしてカッコよく! これがオレの能書き、もとい前書きだからヨロシク・ベイベー! オーライ! アイム・ロックンローラー。
(内容詳細)二十年前──半年と持たず職を転々としていたトラブルメーカーのオレだが、やっとやりたい仕事をみつけて充実した日々を送っていた。
一年が過ぎたそんな矢先、突然の解雇を告げられる。悪いことは続けざまに起こるというが、ちょうど同じくらいにマブダチと呼べた以前の仲間が謎の死を遂げる。間もなく、それまで住んでいたアパートの取り壊しが決まり、今度は立ち退きせざるをえなくなった。
仕事も家も失ったオレは、それならばと唯一つ手元に残った財産、鉄の馬(オートバイ)カワサキ750に跨り、ずっと憧れていた沖縄へとロングツーリング宜しく、そのまま日本中を駆けまわった根無し草、住所不定で暮らした三年間──あるときは沖縄でのサトウキビ刈りや北海道でのジャガイモ掘りで生計を立て、またあるときはヒーローショーで仮面ライダーになったり屋台のリヤカーでラーメンを売ってみたり、またまたあるときはライブハウスでロックンローラーとして叫んでみたり、と様々な経歴を持つ破天荒な著者が自らの体験をもとに描いた涙あり笑いありの自伝的小説。オートバイ好き、殊に”男カワサキ乗り”たちにとってはバイブル的存在とも呼べる珠玉の作品である。
「追悼ライブ・ノラネコの子守唄」「イヌッコロ(犬)」「フューネラル」/ Lyrics『三月のブルーズ』『永遠・FX』『幻影マッハ』など他多数収録。
カワサキ750野朗 [DL版] 上・中・下・ 終 全4巻
YOUZ (著) 仁由舎 (出)
※カワサキ750野郎コンプリートブック「全巻収録製本版」2017年1月発売予定
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