人と犬、あるいは他の動物でも出会いは偶然だろうか。そこには目に見えないある力に導かれている気がする。
この犬の名前はチャチャ、北海道最果の街、稚内で生まれた。子犬の時、教師だった男性に貰われ札幌近郊の彼の実家で飼われていた。飼い主の家のもろもろの事情に翻弄されて、十五年の晩年まで、夏も冬も外に繋がれて飼われていた。思うように散歩に連れて行ってもらえず、いつも人が恋しくて、寂しい生活を送っていた。
この様な時に私はチャチャに出会った。そしてその窮状を見かねた私は自分が引取って養う事になった。チャチャが幸せに暮らしている普通のペットだったら私が引取って暮らす事も無かったであろう。チャチャが哀れな状態だからこそ私が引取った。
言い換えるなら、私と出会うために、私と暮らすために、チャチャは十五年間、厳しい生活を強いられていたのだろうか。私が雪の中から救いだした時、チャチャの命は風前のともしびだった。
私のところへ来て家の中で暮らすようにって、チャチャの顔の表情がみるみる変わっていった。私達を理解しようと私達の顔、表情をいつも見つめ、驚く程賢くなっていった。
そんなチャチャから私達の方が多くの事を学んだ。
そのためにチャチャは十五年間、苦しい生活に耐えて、生きて、待っていてくれた。
この偶然は、偶然ではない、すべてに意味があった。
これは私達と、チャチャの思い出の物語であります。
愛と希望。そして、愛するペットと再会する生き方。
私達の愛についての学び
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