本書は、ITシステムの開発やマネジメントに従事するITシステム・エンジニア(SE)やITシステム・ディベロッパー読者が、SEのコア・コンピタンス(核となる強み・競争力)とはいかなるものかを理解し、上級SEに飛躍していくために必須の能力開発のスキルと知識を提供します。実践的な能力開発のスキルを磨くために、本書では、適切なテーマのケーススタディを随所に配置し、アプローチでは自ら考えるシステム思考力の強化を図ることを狙った構成を採用しています。
さらに、必須知識コーナーを設け、SEを目指す読者に不可欠な基本的知識を取上げるとともに、図解表現手法やプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力、及び交渉力の基本も紹介しています。
ここで、各章の内容を紹介しましょう。
「第1章 IT人材を取り巻く外部・内部環境とスキル」では、SEのロード・マップとスキルを明らかにします。企業のニーズとSEのBSC及びSWOT分析、ITスキル、SEの自己革新、情報化のグローバルスタンダードについて探ります。
「第2章 SEのコア・コンピタンスを情報化プロセスで探る」では、情報化プロセスの基本を理解します。まず、プロジェクトマネジメント能力を明らかにします。経営戦略企画・推進プロセス、情報化戦略企画・推進プロセス、システム化推進プロセス、運用管理プロセスからなる情報化の対応能力について詳しく見ていきます。
「第3章 SEのコア・コンピタンスを資質軸で探る」では、システムを成功に導く斬新なSE能力を解き明かします。SEの資質軸と能力開発では、システム思考のセブン・ダイアモンド・ルールを紹介し、SEに不可欠な図解表現力とシステム的な発想法を理解します。さらに、情報コントロールパワーとコミュニケーション、チームワーキングとリーダーシップ、交渉力とクライアントニーズの具現化について探ります。
「第4章 SEのコア・コンピタンスの実践」では、各分野の情報化実践力をマスターします。まず、情報化とオペレーション・マネジメントのベーシック・デザインを組織的アプローチも含めて理解した上で、製造、流通、販売、及び物流からなる各管理分野のオペレーション・マネジメントをデザインするポイントを紹介します。
「第5章 SEのミッション」では、SEのミッションを理解します。マクロとミクロの視点、デジタル組織化と無形資産のパワー、情報化によるビジネスマネジメントの革新、企業文化と情報化のコンフリクト、リスク・マネジメントと情報化について考察します。
以上の構成により、上級SEを目指す若手SEやプログラマーが能力開発の指南書として活用できることを期待しています。
藤井智比佐
中小企業診断士 ITコーディネータ システムアナリスト
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