大塩平八郎の乱がもし成功していたら、大塩平八郎はこうしたら勝てた、という話。
平八郎は大阪の町民から好かれる良い町奉行与力だったが、謹厳実直な上司の町奉行が江戸に帰ってしまうと、与力職を養子に継がせて自分はさっさと隠居してしまう。親しい友人であった頼山陽は平八郎の陽明学に言う「知行合一」の原理主義的解釈を危ぶむ。
天保の大飢饉では大阪一の豪商・鴻池善右衛門に自分と私塾の門人たちの資産を担保に金を借りて貧民に施そうとするが断られる。
甲斐国では天保騒動が起きるが幕府は自力で鎮圧することもできない。
平八郎は大阪でも世直し一揆を起こそうと企て、近郷に檄文を配布する。
ここまではほぼ史実通りであるが、以後がフィクションとなる。
平八郎の乱によって大阪町奉行以下幕臣は全滅。大坂城代、京都所司代、紀州徳川家が鎮圧に向かうが半年経っても大阪道頓堀城は落ちない。
・・・
次の登場人物らの一人称のルポルタージュ形式の構成をとる。
大塩平八郎 大阪大塩家八代、大阪町奉行与力。陽明学者。
頼山陽 書家、漢詩人、日本史家。
白井孝右衛門 平八郎の門人で、大阪の商家。古物商兼質屋。
橘五郎右衛門 長州藩士。大阪蔵屋敷から京都藩邸勤務。和算家。
鴻池善右衛門 日本一の豪商。
大塩格之助 平八郎の養子となり大塩家の家督を継ぎ、与力。
青山忠良 丹波篠山藩第5代藩主。青山宗家11代当主。大坂城代。
中岡福太郎 土佐藩郷士。網元、鰹節を商う。
毛利敬親 長州藩の第13代藩主、安芸毛利家25代当主。
その他の登場人物
お政 道頓堀の蕎麦屋の仲居
おしの 祇園の芸妓
福原元礼 長州藩家老の次男。のちに宍戸家を継いで筆頭家老。
高井実徳 千五百石旗本。大阪東町奉行。平八郎の上司。
内藤矩佳 大阪西町奉行。
弓削新左衛門 内藤の与力。
跡部良弼 大阪東町奉行。高井の後任。
水野忠邦 老中首座。
徳川斉順 紀州藩主。
牧野忠雅 長岡藩主。京都所司代。
井伊直弼 彦根藩主の嫡男。
徳川家慶 徳川幕府第11代将軍。
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